2014年9月28日日曜日

アーバンディア

「アーバンディア」という言葉をご存じだろうか?街の中に出没するシカのことである。まあ、山の近くならそんなこともある位に思っていたが、26日の早朝、住宅地のど真ん中にある自宅前の公園にそいつは現れた。

体長は1.2m位。2歳の雄のようで角の先がわずかに2又になっている。背後にはJR線路、両脇には市道が通る。子供達が喜んで見に行くが、シカが驚いて道路に飛び出しては大変だ。とにかく刺激しないようにと言い聞かせる。


街にシカが出没した場合の管轄は区役所の地域安全担当係になる。すぐに電話で担当者に状況を伝え、対応について話を聞く。基本的には追い払いになるが、危険な場合はネットでの捕獲か麻酔銃を使用するとのこと。とりあえず銃は使わないということで一安心。約1時間後、パトカーが来てシカを誘導し、私が住む街のアーバンディア騒動はあっけなく幕を閉じた。

それにしてもこのシカはどこから来たのだろうか。可能性があるとすれば、石狩川方面から畑伝いにやってきたのではないかと推測できる。だとしたら石狩川をどうやって渡ったのか。疑問は尽きないが、シカも意図せずに札幌の街の中に迷い込んできたことには違いない。

いつもはシカを追う立場であるが、わけもわからぬシカを見ているうちに、無事に山に帰って欲しいと思わずにいられなかった。やはりシカは山を駆け巡っている方が似合っている。シカよ、山で元気に暮らしてほしい。

2014年9月27日土曜日

今年の入林説明会

24日、猟友会主催の入林説明会が開催された。毎年この時期に行われるものであり、約30名ほどの会員が出席した。最初に平成26年度の入林にあたっての留意事項について説明。林道のゲートナンバーを公開している署とそうでない署が混在しているというのは昨年と全く変わっていない。相変わらずタテ割り状態のようだ。

北海道森林管理局管轄の銃猟入林禁止区域図が配布された。昨年までは自分が欲しい区域図を選択する形だったが、今年は全道一円のものを全員に配布する形となった。たすきだけの状態で綴じられておらず、すぐにバラバラになるので部会独自にクリップで留める形とした。

入林承認証も国有林の方はきちんと切ってあるが、道有林の方は自分で切らなければならず、昨年よりもサービスは後退。

国有林の車両入林承認は昨年までラミネートされていたが、今年はそのままの状態。全体的に経費節減が進められているようである。世の中お金が無い話ばかりで本当に世知辛いが、狩猟の世界も例外ではないということだと思う。

2014年9月23日火曜日

札幌市民体育大会 クレー射撃大会

9月21日、浦臼町でクレー射撃大会が開催された。本大会は札幌市民体育大会の一種目として行われるもの。南部会のIさんから「射撃大会というよりは焼肉大会だから」の一言で参加することにした。


8時40分から開会式。札幌クレー射撃協会の会長から挨拶。札クレの全面的な協力で毎年開催されている。4ゲームの総得点で順位が決まるとのことだが、自分が何点取れるかよりも、他の人のご迷惑になることだけは避けたいという気持ちでいっぱいだ。

スキート射撃のエントリーは12名。私は1組目の4番手である。1組目と2組目は初級者ということで「技能講習回り」でのプレーになる。射台順の撃ち方は下記の通りである。
1番マーク4発
2番マーク4発
3番マーク4発
6番プール4発
7番プール4発マーク5発
スキートの正式ルールでは胸の前で構えて待ち、クレーが飛んでから挙銃するのだが、始めから挙銃していてもよいし、ダブル(ほぼ同時に2枚飛ぶこと)もない。思ったよりもクレーに当てることができた。

撃った後、薬きょうが詰まって出てこないトラブルが発生し、一時射撃を中断。よく見るとリムが引っ掛かっていた。こんなトラブルは初めてだ。

トラップ射撃のエントリーは17名。名手揃いで激戦の模様である。トラップ射撃はスキート射撃に比べて回転が速い。


3ゲーム目からは違う回り方に挑戦してみる。「ジャパンルール」というらしいが、大会や団体によって順番もいろいろあるとのこと。今回の撃ち方は下記の通り(だったと思う)である。
1番プール1発、プール1発マーク1発
2番プール1発、プール1発マーク1発
3番プール1発、プール1発マーク1発
4番プール1発、マーク1発
5番マーク1発、マーク1発プール1発
6番マーク1発、マーク1発プール1発
7番マーク1発、プール1発
4番マーク1発プール1発、マーク1発プール1発
8番プール1発、マーク1発
ちなみに初心者なのでダブルのところは2発込めでシングルにしてもらう。1番と7番はコツを覚えると結構当たるが、4番など真ん中に近い射台はリードを多めに取らなければならないので難しい。究極は8番射台。クレーが自分の真上近くを通るので超難しいが、3ゲーム目のプールから出たクレーにまぐれ当たり。スキートの醍醐味ここにありという感じだった。

お昼は焼肉である。プレーが終わった順番に食べるのだが、スキート組はなかなか進まず、3ゲーム目が終わったところで昼食となる。お腹がいっぱいになると「クレーに当ててやるぞ!」というテンションは一気に下がる…。

スキートの最終組が終了して表彰式。手動ウインチやらチェーンソーやら賞品も豪華である。ちなみに優勝者のスコアはトラップ73枚、スキート71枚。

参加賞としてお米5kgとウインチェスターのハンドタオルが全員に当たった。カミさんの集中砲火をかわすグッズとして、お米は大変有難い。

さらに参加者全員にバッジが配られた。今回は第55回という節目の大会でもある。これだけ遊んで、色々貰えて5,000円は安いと思う。参加者同士で和気あいあいと楽しむことができた。

私の採点表。3ゲーム目からやり方を変えたとたんにスコアはガタ落ち。やればやるほど悪くなるというのがいつものパターンである。まあ、鳥撃ちの練習にはなったかな。

本ブログ初の動画アップである。同行者Oさんのトラップ射撃の様子。クレーが割れる瞬間がばっちり映っている。入賞おめでとうございます。

2014年9月10日水曜日

銃刀法見直しの方向

8月28日、自民党の鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(大島理森会長)の総会が開催された。衆参両院における多数の自民党議員からなるこの組織、やはり相当の力を持っているようである。この総会において、警察庁が銃刀法の一部改正や運用の見直しを明言し、環境省が狩猟税を見直す方向を示したのだ。


銃刀法の主な改正ポイントについては下記の通り。
①技能講習について安全指導に重点を置いた講習となるように見直す。(何点取ったら合格という形にしない)
②散弾銃の所持許可実績10年未満で市町村推薦により実施隊員となった者のライフル所持について、市町村庁舎で保管・管理としていたものを自宅での保管を可能とする。
③複数丁の銃の更新時期が異なっている場合、更新時期を揃えるための手続きや注意喚起の方法を定める。
④医師の診断書提出について、精神科医ではなく、「許可を受けようとする者の心身の状況について診断したことのある医師」に変更する。
⑤警察の身辺調査は申請者から聞き取り先を確認する形に改善する。
⑥無許可譲受数量を見直す。(実態を踏まえて検討=増やす形?)
⑦東日本大震災で猟銃亡失した者について、亡失後の所持許可期間が通算して10年以上であればライフル銃の所持許可を受けることができるようにする。
⑧許可申請時の書類について簡素化を図る。
⑨初心者講習の受講申し込みがあった場合、欠格要件の審査を行うことなく受講させる。

この中で⑦に関しては法律改正を伴うため、今秋の臨時国会で改正案が提出されるが、それ以外の内閣府令や国家公安委員会規則、通達関係は年内又はできるだけ早期に実施する方向のようである。また、環境省からの狩猟税の減免に関する提案については、総務省が難色を示したが、結果としては2015年度の税制改正に向けて調整する方向のようだ。
本当にここまでの改正が行われるのか疑問もあったが、大日本猟友会にも情報が入っており、ほぼこの方向で見直しが行われることは間違いなさそうである。
狩猟の担い手確保にとって現行の銃刀法が大きな障害になっていることは周知の事実であるが、そういう意味では今回の改正は大きな転換点になると思う。強いて言えば、これらの改正が現場での運用段階で骨抜きにされないかどうかが心配だ。今後も議連がしっかりと監視していく必要がある。また、せっかくの改正にも関わらず事故が多発するようでは元の木阿弥になる。狩猟者自身が事故防止に万全を期す必要があろう。

2014年9月6日土曜日

リュックの中身公開(カモ猟編)

カモ猟は札幌近郊をエリアとして短時間で楽しむことが多いので、装備もかなり少ない。リュックはディパックを使用。こちらも25年間使用していまだに現役。物持ちがいいというか、貧乏性なのかなとつくづく思う。

猟犬がいない場合、カモキャッチャーは必需品。針が危ないのでパスタケースに入れて持ち歩いているが、それでも誤って手に刺すことが多い。取扱注意である。

カモキャッチャーにとって振り出し式の竿とリールは無くてはならない存在。これを持って猟場をうろついていると、釣り人から「何を釣っているんですか?」と聞かれることが多い。

ガストーチはカモの羽をむしった後に表面を炙って細かい毛を焼くのに使う。さっと炙るのがコツ。やり過ぎると焼き鳥になる。

一連の作業では薄手のゴム手袋を使用する。手にぴったりフィットするので腸抜きなど細かい作業をする場合はこれが便利。使い捨てなのでたくさん持っていく。

紙製の米袋はビニール袋と違って蒸れることがなく、獲物の血を吸いこんでくれるメリットがある。ホームセンターで1枚30円位で売っている。また、タマネギ袋も通気性が良いので、カモを入れるのに重宝している。
GPSは多くのポイントを記憶できるので、ため池回りで活躍している。ゲームコールはカモをおびき寄せるためのもの。半信半疑で使ってみたが、結構カモが寄ってくる。ただ、目的の獲物ではなかったり、逆に獲物が逃げていくこともある。この他に飲み物、弁当、実包、小さなナイフを持っていく。

猟期まで1カ月を切ったが、こんな感じで道具を眺めている。自分はこんなものを持っているぞ、これがあれば便利だという情報があれば是非教えてほしい。

2014年9月5日金曜日

リュックの中身公開(シカ猟編)

狩猟用のリュックの中身というのは人それぞれ違うものだが、他の人がどんな装備を持っていくのか気になる人もいると思う。参考になるかわからないが、私がシカ猟に必ず持っていくものを紹介したい。

まず左が山岳部に入部した時から使っているリュック。30年間使用しているが、いまだに現役である。右はカモフラ柄の銃カバー。山に入るとどこに出るかわからないことも多い。もし山中で銃カバーを失くしたら再び道路に出ることができなくなるので必ず予備の銃カバーを持つようにしている。


一度、岩登り中にリュックを崖から落としてしまい、フラップが破けたが、丈夫な糸で縫って使用している。ずっと使っていると愛着がわくものである。


ロープは必需品である。シカを引っ張ったり、解体の際に木からぶら下げたりと色々なことに使える。私は8mm×6mのものを持ち歩いている。

折りたたみ式ノコギリも出番が多い。林道をふさいでいる木を切ったり、杖を作ったりするだけでなく、解体の際にシカの肋骨を切るときにも使える。

解体に使うビニール手袋は長いLサイズを使用。これなら袖や腕が汚れにくい。使用後は指先を上にした状態でぶら下げて洗うと内側が汚れない。ちなみに鹿の脂は熱めの湯と食器用洗剤で洗うと落ちる。

トイレットペーパーも無くてはならないものの一つ。これはビニール袋に入れて防水して持参する。さらに軽量化するために中芯を抜いておく。

右側はガーミン社のGPS「e-trex20」。電池はエネループプロを使用すれば1日は十分使える。GPSだけでなく、国土地理院発行の2万5千分の1地形図もジップロックに入れて持参。やはり全体像をとらえるには地図に勝るものはない。もちろんコンパスもセットである。

右は鹿笛である。コール猟の時に使うが、いまだこれを使っての猟果はなし。中條高明氏いわく「への字に吹け」とのことだが、慣れないと難しい。左は大音量が出るホイッスルで緊急時に使うもの。

ライターは予備を含めてジップロックに入れて持っていく。メタルマッチも一応持っているが、使う機会はほとんどなし。

どんなに携帯電話が便利だといっても、山では使えないところが結構あるのでハンディ無線機は必需品である。共同猟では絶対無くてはならないものであり、ラジオとしても使えるので1人でも必ず持っていくようにしている。

最後にミニマグライトと銃砲所持許可証である。この他に飲み物、弁当、実包、ナイフ、ストーブ、肉を入れる袋、ビバークツエルトなどを入れると5kgはすぐに超えてしまう。装備は極力軽量化すること、状況に応じて持っていくものを選別することが大切だと思う。