2013年6月30日日曜日

技能講習

 とうとうこの日がやってきた。更新申請にとって最大の難関と言われている技能講習である。平成21年の銃刀法改正で新設された制度であり、これが通らないと更新申請ができず、最悪の場合は銃を失うことにもなりかねない。どんな講習なのか不安が尽きない中、重い足取りで会場へと向かう。ちなみに今回の受講者は6名である。

はじめに講師の先生から技能講習についての説明がある。「自分は銃を持つ人を減らしたくないという思いでこの講習をやっている。ここでは皆さんが日頃行っているやり方ではなく、決められた形でやってほしい。そこだけ気をつければ必ず合格できる」とのこと。これを聞いて少し気持ちが楽になった。

最初は分解・組立・点検である。検定に入る前に一通りの説明がある。留意点(以下、上下二連銃の場合)は次の通り。
①銃を手にしたら先ず銃口内を確認して「実包なし」という。
②銃を分解する。銃身外観と銃口内に異常がないことを確認し、「銃身異常なし」という。
③先台の外観と内側にひび割れがないことを確認し、「先台異常なし」という。
④機関部の内側に異常がないことを確認し、「機関部異常なし」という。
⑤銃床と機関部の接合部に異常がないことを確認し、「銃床及び接合部異常なし」という。
⑥銃を組み立て、安全子をかけ、引金が引けないことを確認し、「安全装置異常なし」という。
⑦安全装置が解除された状態で引金の遊びを確認し、「遊び異常なし」という。ここではまだ引金は落とさない。
⑧安全装置が解除された状態で引金を落とし、「引金異常なし」という。
⑨銃を立てた状態で先台、機関部、銃床を軽くたたいてガタつきがないことを確認し、「ガタつきなし」という。
⑩最後に「点検を終了します」といって銃身を折り、「実包なし」といってから銃を置く。

とにかく①だけは絶対に忘れるなとのこと。これだけでマイナス10点になる。また、自分はきちんとやっているということを見せるため必ず言葉に出すことが大切。②~⑨の各項目の点検に入る前に「○○確認します」と言った方がより確実のようだ。

説明を聞いた後すぐに検定に入る。点検の順番が前後しても構わないし、ゆっくりやってもいいとのこと。そうはいっても、いざやってみると点検項目を忘れそうになる。自分の場合も接合部という言葉がどうしても思い浮かばずここで減点になったかもしれない。今回の講習で最も緊張したのがこの分解・組立・点検だった。

次は発射時の対応と不発弾の処理である。ここも押さえどころがいくつかある。
①銃を手にしたら先ず銃口内を確認して「実包なし」という。
②銃床を腹に付けて実包を装填する。
③実包の装填後、銃口が上を向く形で機関部を閉鎖する。
④銃の構えが決まった段階で引金に指を入れる。
⑤脱包の際は銃口の向きに注意する。
⑥不発弾が発生した場合はそのままの状態で10まで数えてから脱包する。
⑦銃を持って移動する際は銃口を下に向ける。

②の腹に付ける理由としては、暴発した際の反動で銃が後ろに飛んでしまい、銃の落下で2発目が暴発してしまうのを防ぐため。ちなみに技能講習では1発込めなのでこのようなことはないが、実戦的なものとして考えた方がいい。④については銃把を5本指で握って直前に人差し指を入れた方がよい。また、誤解を避けるため人差し指は伸ばさないように(遠くから見るとすでに引金に指が入っているように見える)とのこと。⑤について脱包の際は銃床を腹に付けなくてもよいが、銃口が人に向く形になると10点減点になるので注意。⑦について銃口は下向きとのことだが、射場によって違うかもしれないので留意が必要だ。

次は射撃審査である。自分はトラップを選択。各射台5発づつ順番に撃っていき、全員が撃ち終わったら次の射台に移動する形である。25枚中2枚を割れば合格だが、何枚割ったかではなく、講師の先生は今までやった動作を見ているとのこと。
①銃架に置いてある銃を手にしたら先ず銃口内を確認して「実包なし」という。
②射台に入って各自銃口を下向きにして待機し、前の人が撃ち終わってから実包を装填する。
③射撃姿勢に入り、銃口を下げ終わった段階で引金に指を入れてコールをかける。
④全員が撃ち終わって次の射台に移る前に銃口内を確認して「実包なし」という。

気をつけなければならないのは、③について銃口を下げている途中で引金に指を入れないこと、④について射台を出る前の確認の2つ。あとは暴発させなければ大丈夫だと思う。
最初に練習を25発撃ってから本番に入る。自分は10枚を割って何とか合格基準はクリアーできた。

午前10時から開始して12時30分に全日程が終了。講師の先生からは「全員が合格基準に達しているので大丈夫だと思うが、約1週間後に警察から正式通知があるのでそれまで待っていてほしい」とのこと。

技能講習を受けた感想としては、色々な方々から厳しいと脅かされ、始めはどうなることかと思ったが、講師の先生が親切かつ丁寧に指導してくれて、良い意味で拍子抜けした感じであった。また、事前に猟友会支部主催の研修を受けておいたのも良かったと思う。内容も決して無理難題を問うわけではなく、講師の先生の話や指示を良く聞いてその通りやれば合格できるものである。そういう意味では、落とすためのものではなく、事故なく銃を持ち続けるための講習と考えた方がいいかもしれない。とりあえず結果が来るのを楽しみに待ちたいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿