2012年3月18日日曜日

最後のエゾシカ駆除

3月18日、猟友会のエゾシカ駆除に参加した。この日集まったメンバーは35名。朝礼を終えて現場へと向かう。

今回も「待ち」としてスキーを履いて山の上へと向かう。先々週に「勢子」が入った尾根が今回の「待ち場」になる。30分ほどで待ち場に着き、30m間隔で配置に付く。

9時30分に「勢子」がスタート。遠くからシカを追いたてる声が聞こえてくる。それにしても待ち時間というのは本当に寒いものである。

なぜか勢子の反対側からシカの群れが来た。すぐに射撃体制に入り、100m程の距離で2頭を倒す。いつも外れてばかりのフェデラル・サボットスラグがどういうわけかこの日は当たった。

獲った後はお決まりの「シカ引っ張り」である。さらに上の方にいた「待ち」も6頭ほど倒しており、とても運びきれない状態。下から応援部隊に上がってきてもらうが、いつもながら木に引っ掛かったり、穴に落ちたりと悪戦苦闘の連続である。

今回の捕獲頭数は18頭。シカも我々の動きを学習しており、回数を重ねる度に捕獲頭数も減ってきている。ちなみに私のエゾシカ駆除への出動は今回で最後になる。突然の話だが、4月に札幌に転勤することが決まったからだ。猟友会組織は住所地で所属する会が決まるので、今回の異動を機に旭川猟友会を去る形となる。せっかく仲間ができたのにとても残念。この6カ月間、旭川猟友会の皆さんには本当にお世話になった。またいつか一緒に猟に行ける日を楽しみにしている。

2012年3月4日日曜日

エゾシカ駆除作戦

私の所属する旭川猟友会主催の「エゾシカ特別駆除」に初めて参加した。毎年この時期に旭川市・神居古潭の鳥獣保護区を一時的に解除して駆除活動を行っているものである。朝礼後、各自現場へと移動する。

今回の作戦は「巻き狩り」といって、追い出し係の「勢子」が射撃手である「待ち」のところにシカを追い立てて一斉射撃で捕獲するもの。無線で連絡を取り合いながらお互いの動きを確認し合う。ちょっとしたミスが大事故につながることもある。とにかく連携が重要なのである。

私は今回「待ち」に付くことになった。スキーで待機場所へと移動するが、急斜面をスキーで登るのは結構つらい。汗をかきながら登り続ける。

移動の途中でエゾシカにかじられた木を見つけた。こうしてシカに皮を剥がされた木はやがて枯れてしまう。残念なことだが、こうなってはなすすべがない。

1時間ほど登ったところで「待ち」に入る。尾根の向こうには「勢子」がいるのでうかつには撃つことはできない。シカが沢に降りたところで撃つように指示される。シカが来るのをじっと待つが、体が冷えて寒さが身にしみてくる。

「シカの群れが上にいったぞ!」と無線が入る。緊張しながら待つこと数分、シカの大群が目の前に現れた。あまりにも数が多くてどれを狙って撃っていいのかわからない。とにかく群れを目掛けて2発、3発と連続で撃つ。3頭ほど当たったのを確認して回収へと向かった。

リーダーから撃ったシカは全頭降ろすように指示が入る。撃ったシカを放置することは法令で禁止されているのである。シカの首にロープをかけて引っ張っていくが、沢の中には立木や穴がたくさんあって作業は困難を極める。やっとのことでシカとともに集合場所へと到着するが、撃つよりも運ぶ方がはるかに大変である。

この日の捕獲頭数は25頭。先々週と先週であわせて100頭ほど獲っているとのことだが、実際にこの地域に生息している頭数はこんなものでは済まないはずだ。駆除活動は3月いっぱいまで続けられるが、人の力でシカの数を減らすということは本当に容易ではない。自然と人間の共生がいかに難しいものであるか実感した1日だった。